ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ:「た行」で始まる作家 > デイヴィッド・アーモンド

4
火を喰う者たち
デイヴィッド・アーモンド
河出書房新社
2005-01-14

¥1620
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
テレビから流れる、キューバとミサイルの映像。
父さんの咳、中学校の残酷な教師。
不安に胸をしめつけられながらも、
少年は、祈り、そして闘っていた。
彼の祈りに、火喰い男マクナルティーが触れたとき、奇跡が生まれる。
ボストングローブ・ホーンブック賞、
ウィットブレッド賞、スマーティーズ賞受賞。

(内容紹介より引用)




訳は、私にとってはシアラー作品でお馴染の金原瑞人氏。

同じ作家の「肩胛骨は翼のなごり」が好きなら
きっとこちらも好きだと思います。
私は好き。
やっぱり、児童書にしておくにはもったいない、と感じます。

内容紹介を読むと、
よくわからない世界かと思ってしまうかもしれませんがw
普通のイギリス北部の海辺の田舎町、
まだ先の大戦の記憶が薄れていない1962年のことです。
イギリス軍はヨーロッパ各地で
ナチス・ドイツを相手に戦争していたんですね。

そして、また米ソ冷戦時代。
当時のソビエトがキューバへミサイルを運ぼうとする。
また戦争か!?と恐怖が忍び寄る。

火喰い男って大道芸の人のことなんだけど、
主人公の少年ボビー(ロバート)にとっては不可解な存在。
なぜ あんな痛くて怖いことをしているんだろう?って。

中学へ入る直前に南部の都会から転校生がやってくる。
そこはかとない侮蔑の視線。
転校生の両親は共に教師だった。
一方、地元の人間は漁師や工場で働いたりしている。
そして女性は家にいるもの。

こういうギャップって世界共通なんですね~。

いろんなものとぶつかって、
精神的にも物理的にもね^^
成長する少年少女たち、更には大人たち。
物語の終わりに少し先へ進む彼らの姿が良いです。

「肩胛骨は翼のなごり」の感想も書いてます。
こちらです→ 

【カーネギー賞/ウィットブレッド賞受賞】

古びたガレージの茶箱のうしろの暗い陰に、
ぼくは不可思議な生き物をみつけた。
青蝿の死骸にまみれ、蜘蛛の巣だらけの彼は誰……
それとも、なに?
ありふれた日常が幻想的な翳りをおびる瞬間、
驚きと感動が胸をひたす。
“この忘れがたい物語のことを、誰もが夢中になって語っている”と評され、
英国児童文学の新しい傑作と讃えられた。
新鋭の第1長編。
訳者あとがき=山田順子

*「繊細かつ心を震わせる優しさで描かれた、愛と信頼の物語。
読者の年齢など関係ない、素晴らしく深みのある1冊だ」――ウィットブレッド賞審査委員長
*「アーモンドは明らかに別格の作家だ。
この10年に児童書の世界に現れた、最も刺激的な才能だろう」――リテラリー・レビュー
宮崎駿氏推薦――
「心ふるえる、初々しい思春期をふしぎな男との出会いを通して描いている。
妙にねじれず素直な描写、心あらわれる結末。ぼくは大スキです。おすすめ。」


(BOOKSデータベースより引用)





児童書にしておくにはもったいない!
素敵な物語です。

タイトルに目が釘付け、とでもいいましょうか。
肩胛骨は翼のなごりって!
わ~大好きな世界の予感!アンテナにビリッときました。

これ、原題は「Skellig」というんです。
スケルグというのは物語に登場する翼をもった何か、の名前です。
タイトルの邦訳にやられたな~。
もし原題のまま「スケルグ」だったら読んでみたいと思わなかった。

生まれたばかりの妹と両親と
庭付きの中古住宅に引っ越してきたマイケルと、
その隣の家に住むやけに冷静なミナという少女の物語。
ミナが何度もいう「不可思議!」という言葉がピッタリくる物語。

恐竜から進化した飛べる翼をもつ鳥たち。
それなら私たち霊長類も進化の過程で翼をもったかもしれない。
そう、肩胛骨はかつて翼をもっていたなごり?

エンジェルほど甘いファンタジーではなくて、
もう少しリアルで薄気味悪さもあるんです。

生まれたばかりの妹の先天的な心臓疾患のため
両親だけでなく、マイケルも不安な日々を送る。
そんなマイケルを学校の友達や先生、
ミナとその母親、みんなが寄り添う。

思春期を迎えようとする少年の繊細な心が
キラキラして脆そうにみえて、生命力にあふれているようにみえます。

つい最近、この物語に出てくるミナという少女の方の視点から
書かれた物語が出ました。
「ミナの物語」というタイトルです。
こちらも是非読んでみたいと思います。

今回、私が読んだのは単行本ですが、文庫も出ています。
挿絵などがあるわけではないので文庫でも十分かと。。。
肩胛骨は翼のなごり/東京創元社


¥1,523

Amazon.co.jp


肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)/東京創元社


¥735

Amazon.co.jp

↑このページのトップヘ