¥771
寛政の江戸深川に「三ツ木鮨」を構えた鮨職人・新吉は
親方から受け継いだ柿鮨(こけらずし)の味と伝統を守るため、
日々精進を重ねていた。
職人の誇りをかけて、満足のいく仕事をする。
それが新吉の信条だったが、
ふとしたきっかけで旗本勘定方祐筆・小西秋之助の知己を得る。
武家の借金を棒引きにする「棄捐令」に思い悩む秋之助と新吉に、
互いの生き様を通して生まれる男同士の信頼感。
住む世界が異なっても、
そこには仕事に命を燃やす男たちの熱い心意気があった。
長屋に暮らす仲間たちと織りなす笑いあり涙ありの人情に、
心温まる時代小説。
(内容紹介より引用)
ラストに喜びがじんわり沁みてくる1冊でした。
時代は棄捐令が発布された頃で、
主人公の新吉が27歳と若いせいか
ストーリーにも勢いを感じました。
鮨職人といっても、
当時は握り寿司は屋台でつまむものなので
新吉の作るお鮨は押し鮨です。
甘く煮た椎茸、かんぴょうに錦糸玉子をちらし、
昆布締めした鯛のお刺身やあわびをすし飯と木型にぎゅっと!
おいしそう~!^^
のれん分けした自分の店を盛り上げるために
日々の努力と工夫を怠らない新吉の姿は
とても清々しいです。
棄捐令後の江戸に吹く不景気の中、
知り合った武士・小西から
すし酢に使うお砂糖を減らすための工夫を教わる。
それは柿酢、柿の皮をお酢に漬ける・・・。
山本一力さんの書く時代物は
物の価値や重さ、大きさ等を
作中で現代の単位だとこのぐらい、と
書いてくれるので私でもわかりますw
幼なじみを襲う悲劇も
希望を捨てず信じることが大切だと
新吉が教えてくれるようでした。
よかったです!
![銀しゃり[文庫] (小学館文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41TGKpa8qxL._SL160_.jpg)

