ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ:「あ行」で始まる作家 > 石持浅海

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫)/光文社


¥535

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2008年5月発行

荒れ狂う海で、六人のダイバーはお互いの身体をつかんで、ひとつの輪になった。
米村美月、吉川清美、大橋麻子、三好保雄、磯崎義春、そして僕、児島克之。
石垣島へのダイビングツアー。
その大時化の海で遭難した六人は、信頼で結ばれた、かけがえのない仲間になった――。
そんな僕らを突然襲った、米村美月の自殺。
彼女はダイビングの後の打ち上げの夜に、青酸カリを飲んだ。
その死の意味をもう一度見つめ直すために再び集まった五人の仲間は、
一枚の写真に不審を覚える。
青酸カリの入っていた褐色の小瓶のキャップは、なぜ閉められていたのか?
彼女の自殺に、協力者はいなかったのか?
メロスの友、セリヌンティウスは「疑心」の荒海に投げ出された!


(内容紹介より引用)




久しぶりに読んだ石持浅海さんのミステリー。

読み終わってから表紙の人影を見ると、なんともいえず感慨深いです。

しかし、ミステリーとしてどうか?というと
他の作品の方がずっとよかったかな。

一人、執拗に自殺事件に拘る人物が・・・。
途中から、もうコイツしかいないじゃん。
しつっこいな!(`×´)  てね(笑)

それまでは、楽しいはずのダイビングツアーで漂流し
生と死のはざまに漂う内に繋がれる彼らの描写はなかなかです。

生還して生きる力を得た人、
死に囚われてしまった人、
その差は何なんでしょうね。

そこのところはちょっと考えさせられました。





南北アイルランドの統一を謳う武装勢力NCFの副議長が、
スライゴーの宿屋で何者かに殺された!
宿泊客は8人――そこには正体不明の殺し屋が紛れ込んでいた。
やはり犯人は殺し屋なのか? それとも……。
宿泊客の一人、日本人科学者・フジの推理が、
「隠されていた殺意」をあぶり出してゆく!
本格推理界に衝撃を走らせた期待の超新星の処女長編!

(BOOKSデータベースより引用)




ミステリーという言葉より推理小説の方がしっくりきそうです。
同じ作家さんで「月の扉」を先に読んで、
もう1冊読んでみたくなって選んだのがこれでした。
私はこっちの方がずっと好きになりました。

「かつてこんなに美しいミステリーがあっただろうか」
これは私が最初に読んだ「月の扉」の帯に書かれていたキャッチです。
2冊目の「アイルランドの薔薇」を読んでしまったら
こっちのキャッチでもいいんじゃない?って気がしてきました。
実際には、これがデビュー作で「月の扉」が長編2作目だそうです。

アイルランドがタイトルについていますが
内戦については導入部だけといってもいいくらいなので
政治的な要素が苦手でも大丈夫だと思います。

もちろん事件の背景には関係しているのですが
読み進めるのに特に支障はありません。

舞台は1997年、アイルランドのスライゴーという町の宿です。
北アイルランドとの国境近くです。

犯人は誰?「ブッシュミルズ」って?
真の動機はどこに?

最後の最後まできっちり引っ張っていかれます。
(日本人・フジの出来過ぎ感が気になったらちょっとスルーして・・・^^;)
全体がきっちりまとまって完成された推理小説だと思います。

読後感も清々しくてお気に入りの1冊です。
戦争とはやはり、憎しみしか生まれない虚しいもの。。。

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