ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ:「あ行」で始まる作家 > 池澤夏樹

TIO'S ISLAND
池澤 夏樹
小学館
2010-07-20

5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
池澤夏樹の文と竹沢うるまの写真が誘う南の島の魔法
約20年前に発行された池澤夏樹氏の
処女小説「南の島のティオ」の続編。
小説の舞台となっている南の島の
美しい写真を組み合わせた写真小説です。

(内容紹介より引用)




『南の島のティオ』という本があります。
以前、私も感想文を書かせていただきました。(こちら→

そのティオの続編がありました。
写真家・竹沢うるまさんの撮った南の島の写真とのコラボです。
途中途中に池沢さんの物語が入ってきて
本当にティオが写真の中にいるような気になります^^

ティオ、元気でした。
少~し成長したけど、
まだお父さんのホテルをお手伝いしながら島にいました。

美し過ぎる南の島と海の写真を見ていると
きれいと思うと同時に
ほんの少し哀しい気持ちにもなってしまう。
それはティオの物語のせいかもしれない・・・。

写真目当てに手に取る方が多いようですが、
私は池澤さんの短編目当てでした。
もう一度、ティオに会えて嬉しいです^^

5
カデナ (新潮文庫)
池澤 夏樹
新潮社
2012-07-28


沖縄カデナから北ベトナムへ飛び、爆弾の雨を降らせる巨大爆撃機B-52。
その攻撃を無力化するため、見ず知らずの4人は
基地の内と外を結ぶ小さなスパイ組織をつくった。
ベトナム戦争末期の沖縄を舞台に、
戦争という抗いがたい現実に抗おうとする
ごくふつうの人たちの果敢な姿を、
沖縄戦後史を通して描きだす。
著者の沖縄在住十余年の思索と経験のすべてを注ぎ込んだ傑作長編小説。


(内容紹介より引用)




少し続けて読んでみたいと思った池澤夏樹さん。

1968年のオキナワ。
イーグルスの歌う「ホテルカリフォルニア」。
サイパンから引き揚げてきたうちなんちゅーや
ベトナムが祖国の人たち。
駐留する米軍。

さすがにリアルタイムでの記憶はないベトナム戦争。
アメリカが勝てなかった戦争だ。

米軍基地のある島で生きる沖縄の人々、
一人一人の背負った背景ごとに心情が微妙に違うことを
丁寧に描いています。

ベトナム戦争の泥沼化や暗さをクローズアップするのではなくて
沖縄の空や海の青さが哀しいように沁みてくるような小説。
戦争の虚しさがそこにきちんとありました。

よかったです。

5
南の島のティオ (文春文庫)/文藝春秋


¥535

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 1996年8月発行

 受け取る人が必ず訪ねてくるという不思議な絵ハガキを作る「絵ハガキ屋さん」、
 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの
 個性的な人々とティオとの出会いを通して、
 つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、
 かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。
 第41回小学館文学賞受賞。

 (内容紹介より引用)


 

 あと半年ぐらい早く読んでれば良かった~。
 そうしたら夏休みのYA向けに紹介できたはず・・・。

 池澤夏樹さん、むかーし昔に読んだことある作家さん。
 最近、他のブロガーさんのところで見かけまして、また読んでみたくなりました。
 再読にならないように記憶を掘り返しながら選書したのがこの本でした。

 児童書として書かれた物語ですが、
 新潮文庫版を読む限り、普通に大人向けの小説ともいえます。

 <目次>
 絵はがき屋さん
 草色の空への水路
 空いっぱいの大きな絵
 十字路に埋めた宝物
 昔、天を支えていた木
 地球に引っぱられた男
 帰りたくなかった二人
 ホセさんの尋ね人
 星が透けて見える大きな身体
 エミリオの出発

 抜けるような青い空と環礁に囲まれた美しい海をもつ常夏の小さな島。
 それがティオの生まれ育ったところ。

 大人が読むと、何故か少し切なさも感じる。
 ティオは既に知っているのです。
 自分の島はそれほど豊かでも、開発がすすんでいるわけでもない。
 海の向うには想像もできないような高い建物が林立し、
 ティオの島では得ることのできない文明の利器が溢れていることを。。。

 それでもティオは島やそこに住む自分たちを卑下したりしていない。

 ティオ、今も元気にしてるかな。
 島で真っ黒に日焼けしてニッコリ笑っているかな。
 少し成長しただろうか。

 いつか、ティオにまた会いたい。

 まだ新潮文庫では読みにくい年齢ならこちらをどうぞ♪
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南の島のティオ (講談社青い鳥文庫)/講談社


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