ノスタルジー漂ってます。
「わくらば日記」 角川文庫 2009年2月発行
朱川湊人 (Shukawa Minato)
姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。
お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、
母さま、姉さまと3人でつつましく暮らしていました。
姉さまは病弱でしたが、本当に美しい人でした。
そして、不思議な能力をもっていました。
人や物がもつ「記憶」を読み取ることができたのです。
その力は、難しい事件を解決したこともありましたが…。
今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさが胸を打つシリーズ第1作。
(内容紹介より引用)
連作短編集。
<目次>
追憶への虹
夏空への梯子
いつか夕陽の中で
流星のまたたき
春の悪魔
昭和30年代、もちろん私がリアルに記憶している時代ではないけれど・・・
この物語の舞台となっているのは東京の下町、
生粋の江戸っ子だった母、祖父母の話を聞いて育った私は
懐かしさと、もう会えない人たちへの思慕の念と共に
物語の中にすっぽりと入り込んでいきました。
オート三輪を知っていますか?
お豆腐はお鍋を持って買いに行くのです^^
二人姉妹の妹・和歌子ことワッコの記憶を辿るように語られていきます。
母親でさえ知らない姉さまの不思議な力を知るところから始まり、
他言無用だったのに幼い恋心からしゃべってしまい
姉さまを刑事事件の捜査に関わらせてしまったこと。
惨劇を「見た」病弱な姉さまは寝込んでしまう。
そして、「流星のまたたき」では、姉さまと大学生の儚い恋。
哀しくてぼろぼろ泣いてしまう。
当事者二人と彼らの側にいる人たちの優しさが堪らない。
涙を流して心をクリアにしたい時にいいかもしれません。
朱川さんは「かたみ歌」が大好きなのですが、
私はこれも良かったです。
続編があります。→ 「わくらば追慕抄」
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