ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ: 「か行」で始まる作家


鬼無里が、消える…。
民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は
差出人不明のメールを受け取り、かつて訪れたH村に思いを馳せる。
5年前、鬼の面をつけ、家々を練り歩く神事の最中、
殺人事件が起きたのだった。
誘われるようにふたたび向かった村では、ある女性が待っていた―。
著者急逝から6年、
残された2編と遺志を継いで書かれた4編を収録。
歴史民俗ミステリ、堂々たる終幕!

(内容紹介より引用)




北森鴻氏が書き残した2編に
浅野里沙子さんが4編を書き足して1冊の本になり、
蓮杖那智シリーズの最後の短編集です。

北森鴻氏のシリーズ作品の中で
このシリーズが一番好きかもしれません。

どの短編がどちらの作家が書いたのかは、
読んでいるとなんとなくわかってきます。
民俗学の、蓮杖那智の陰に惹かれていた人には特に・・・。
浅野さんによる「あとがき」にもはっきり書かれています。
先に知るか、後からそうだったのかと思うかは
皆さんの自由だと思うので私は触れずにおきます。

<目次>
鬼無里(きなさ)
寄偶論(きぐうろん)
祀人形(まつりひんな)
補陀落(ふだらく)
天鬼越(あまぎごえ)
偽蜃絵(にせしんえ)

やっぱり民俗学って終わりがないと思う。
どのお話も正しく民間伝承から発してる事件よね、という印象です。

「鬼無里」に登場した女性の笑顔には
ミクニだけじゃなくて私もゾッとしたと思うし、
「祀人形」で過去を掘り起こしていく那智の姿に
やっぱりそうくるよね、と。
そしてタイトル作の「天鬼越」、世界が作り上げられていって
那智、ミクニ、佐江の三人が生きてきます。

そしてそして、本当のラストになってしまった「偽蜃絵」!
彼ら三人は今も日本のどこかでフィールドワークしているんだろうと。。。

婚約者でもあった浅野里沙子さん、
蓮杖那智を終わりにするために書く・・・
大変ご苦労されただろうと思います。
未完のシリーズを終わらせて下さったことに
一ファンとして感謝いたします。

老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス)
コリン コッタリル
ヴィレッジブックス
2008-08-20






 シリ・パイプーン、72歳。
みごとな白髪に透き通るような緑の目をした老人だが、ただの年寄りではない。
ラオス国内で唯一の検死官だ。
引退して年金生活を楽しもうと思った矢先に任命され、
やむなく勤務することになった検死事務所は、医薬品も乏しく、設備もお粗末。
しかし、障害があるが解剖の腕は抜群の助手、
しっかり者のナースなど一風変わったメンバーに囲まれて、
訳あり死体続々のスリリングな日々が待っていた!
そこでシリ先生は、死者が語る真実にやさしく耳を傾け、
事件を解き明かしてみせる。
気骨と人情で慕われる老医師が渋い推理を披露する、
素朴なアジアン・ミステリー。

(内容紹介より引用)




積読が少々長めではあったけど
古本屋さんで安価に購入したのに・・・
最大ネットショップでは古本がとんでもない値段になってる!
なーぜー???(笑)

舞台は1976年のラオス人民共和国。
ベトナム戦争が終わり、
ラオスは共産主義の国になっている。
ラオスはタイとメコン川をはさんで対岸に位置しています。

主人公のシリ先生は70歳超のおじいちゃん。
ラオスの人には珍しいエメラルド色の瞳をしている。
もういい加減に隠居させてもらって
のんびり暮らそうと思っていたら!
「君はまだ働けるじゃないか、同志よ。」という
党幹部の一言でいやいやながら検死官に~。

しっかり者の看護師デツイに自転車を貸してくれと言ったら
「走らせる時はゆっくりと、疲れたら止まること」
なんて言われちゃうんです。
口では「心得た」と言いながら見栄をはって
ノンストップで自転車を走らせた為に
訪問先で、ゼーゼー喘いでしまって不思議そうな顔をされちゃいます。

検死官が主人公なので当然、犯罪はおきますが
1970年代のラオスの空気感と
所謂「見える」力をもってるのに検死官になってしまった
シリ先生が、ちょっと不思議でのんびりした雰囲気を漂わせ
いい感じになってます。

ちょこちょこと検死するべき遺体は登場しますが、
本筋の事件はなかなか大きな波紋を広げていきます。
コージーミステリではないです。

そして、ラスト!
あちゃーって感じで、シリ先生にちょっぴり同情しちゃいました。


5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
幽霊でもない、妖怪でもない、「なんだかわからないもの」が、
実は身の回りに潜んでいるかもしれない。
ほら、あなたのすぐそばにも……。
無邪気に見える子供の心にさえ巣くう「闇」を
まっすぐ見据えた身も凍る怪談と、
日常と非日常の間に漂う世にも不思議な物語。
『このさき危険区域 学園ミステリアス・ストーリーズ』を改題、
新たに11編を加えて再編集した著者初の怪奇短編集。

(内容紹介より引用)




昨年12月に亡くなられた著者、
香月日輪さんの一周忌に向けて
積読の中から選びました。

こういうお話たちは大好きです。
もう、読み終わってしまうのがもったいなくて・・・!
大きく分けて4つの構成になっているように感じました。

最初の
「このさき、危険区域~学校のこわい話」は
わかりやすい怖さとでもいいましょうか。
友だち同士で怪談話をしてて
キャーキャー悲鳴あげてしまうイメージのショートストーリーたちです。

そして『黒沼』
ずっと前に読んだ『桜大の不思議な森』の
主役・桜大(おうた)のもっと幼い頃のお話です。
物語の舞台になってる桜大たちの村がいいんです。

次の「譚の部屋」に集められてるお話たちが
一番好みかもしれません。
ホラーだけでなく、笑ったり、じんわりしたり
そんな不思議なショートストーリーばかりでした。
『はげ山の魔女』なんて、まずタイトルで笑ってしまった!

最後の『春 茶屋の窓辺にて候』は
まるでお芝居のセリフを読んでいるよう、と思ったら
香月さんが脚本として書いたものを手直しされて
読み物にしたそうです。
凄腕の渡世人を主役にした時代物で、よかったです。

著者自身による文庫版あとがきまで楽しめました。
あー おもしろかった!

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