ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ: 「ら行」で始まる作家

夏への扉[新訳版]
ロバート・A・ハインライン
早川書房
2009-08-07

ぼくが飼っている猫のピートは、
冬になると“夏への扉”を探しはじめる。
家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているからだ。
そしてぼくもまた、ピートと同じように“夏への扉”を探していた。
最愛の恋人と親友に裏切られ、仕事を失い、
生命から二番目に大切な発明さえも奪われてしまったぼくの心が、
真冬の空のように凍てついてしまったからだ。
失意の日々を送っているぼくにも、
ピートが信じる“夏への扉”は見つかるのだろうか。

未来は、ぜったいに過去よりよいものになる――
それぞれの”夏への扉”を探して現代を生きる人々へ、
新しい翻訳で贈るハインラインの希望に満ちあふれたメッセージ。
新しい時代の『夏への扉』がここに登場。

(内容紹介より引用)




新しい翻訳は、『アルジャーノンに花束を』の小尾芙佐さん。
初版はなんと1956年!

物語のスタートは1970年、
そして2000年へ。

未来へ行くのはコールド・スリープ。
人体を凍結保存して未来に目覚める・・・
これって今でも実現されてないのに!
そして著者ハインラインの描く2000年は
2016年の今でも近未来SF映画の中のようです。
そして、タイムトラベルして過去へ。
更に、また・・・。

SFなのに優しさとノスタルジーを感じる物語で、
あまりSF好きじゃない私がお気に入りになりました。
逆に、
SF大好きでたくさんの作品を読んでる人にとっては
どうなんでしょうね?

大嫌いな冬になると、次々と扉を開けて
大好きな夏を探す♂の虎猫・ピート。
私もピートと夏への扉を探してみようかという気分になる^^
夏への扉って未来への希望なんだと思います。

うちのキジトラ猫・くたの名前をピートにしたくなってしまった!(笑)
山下達郎も歌にしてますねー。

おもしろかったです。


¥972
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
昔ばなしの主人公は、ふつう「いい子」に決まってる。
だけどロアルド・ダールは、「いい子」が好きじゃないらしい。
シンデレラは、サイテーな王子に愛想をつかし、
白雪姫は、競馬で当てて億万長者。
赤ずきんときたら、ピストルぶっぱなして、それはもう…。
ダールがこっそり教える、びっくりどっきり、ホント(?)の昔ばなし。

(内容紹介より引用)




予定通り9/13のダールさんのお誕生日に読みました。
ひとこと、笑った!!!

<目次>
シンデレラ
ジャックと豆の木
白雪姫と七人のこびと
三びきのクマ
赤ずきんちゃんとオオカミ
三びきのコブタ

韻を踏んだ言葉遊びでもあるので
原書で読める方は是非、そちらをオススメします。
訳者(灰島かり)さん、苦労されたようです(笑)

イラストはお馴染みのクェンティン・ブレイク。
私は好みのイラストで、ポストカードとか欲しくなります^^

そして、昔話を少しブラックにしてあるので
初めてこのお話たちに出会うお子さんには向かないかも。。。

「三びきのクマ」のお話、
確かに、子供心にも納得いかなかったんですよね(笑)
なんで?って。
勝手に食べたり、壊したり、寝ちゃったりした女の子、
どうして誰も叱らないんだろう?って。
ダールさんがバッサリやってます。

少し前に「戦う白雪姫」というキャッチの映画がありましたが、
この本の中には「ハードボイルドな赤ずきんちゃん」がいました!

児童書扱いですけど、
どちらかといえば大人が楽しむ本のように思います。

HAPPY BIRTHDAY!ダールさん!


¥936
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
古文書の専門家グレースの夫と兄が殺された。
犯人は、
目下彼女が翻訳中の14世紀の古文書を狙う考古学財団の理事長。
いったい古文書にどんな秘密が?
耐えがたい悲しみと怒りを胸に
理事長たちの追跡を逃れつつ、彼女はやがて知る―
彼らに復讐するためには、
古文書に登場する勇猛な黒髪の戦士ナイルと会わなければならないことを!
現代と中世を結ぶ流麗なロマンティック・サスペンス。

(内容紹介より引用)




私は初読みの作家さんなのですが、
女性に大人気のベテラン作家さんだそうです。
著作もとても多いです。

たくさんの著作の中からこの1冊を選んだ理由は
「テンプル騎士団の古文書」!
このフレーズに釣られました(^^ゞ

タイトルと装丁のスウィートさに騙されます。
これ、なかなかハードな逃亡劇が始まって・・・
えーと、甘いラブシーン?
それは最後の1/4ぐらいからでしょうか。
ヒロインのグレースが中世のスコットランドへ
タイムトラベルして騎士のナイルに直接会ってからです。
なので、そちらを目当てに読むと期待外れかも。

ただ、ここまで女性目線というか中心にお話が作られていると
男性の読者は面白味がないだろうな、と思います。
かつての映画「タイタニック」が女性向けといわれたのと同じかなぁ。

物語が始まってすぐにグレースの最愛の夫と兄が殺害されます。
窓の外から目撃してしまったグレースは
その瞬間から組織に追われることになります。
更に、殺害犯に仕立て上げられ警察からも追われるハメに!

それまで、古文書の翻訳家であり
普通の妻だった31歳のぽっちゃり女性が
どんどん変わっていきます。
薄汚れ浮浪者に間違われ、体重が15キロ落ち・・・
逃亡の果てに辿り着いたシカゴで身の守り方を教わって
さぁ 反撃開始!

そしてエンディングはハッピーエンドといっていいと思います。
ハリウッド映画的とでもいいましょうか(笑)
その潔さ?も人気のひとつなのかも。
こういうパターンの作品を書く作家さんなのか、
もう1冊読んでみる予定です。


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