岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。
時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。
吉原で住み込みのお針子となったおとせの前には、
遊女たちの痛切な生の営みがあった。
さまざまな恋模様、その矜持と悲哀。
そして自身にもほのかな思いが兆しはじめ…。
今宵ひと夜の夢をのせて、吉原の四季はめぐる。
哀切の傑作時代小説。
(内容紹介より引用)
連作短編集。
<目次>
仲ノ町・夜桜
甘露梅
夏しぐれ
後の月
くくり猿
仮宅・雪景色
主人公のおとせは岡っ引きだった夫に先立たれて
長屋に一人住まいしている36才の未亡人。
息子の結婚を機に
長屋を息子夫婦に明け渡して
住み込みの仕事先を探すことに。。。
吉原の遊郭に住み込んでする針仕事は
普通のお店での仕事より給金がいいので
気後れしつつも大店の遊郭・海老屋へ。
主人公のおとせですが、
岡っ引きの女房だったからと言ったって
お針の仕事しないで、あちこち歩き回り
遊女たちの揉め事に首を突っ込む様子が
かなり気にかかる(笑)
まるでアメリカ発のコージーミステリのヒロインたちのようだ!
江戸っ子のおせっかいとは
ちょっと違うように感じてしまいました。
吉原ならではの四季の描写はとても美しく、
脳内にパノラマで広がっていきます・・・
春の桜から菖蒲、花火、お月見等々。
タイトルの甘露の梅の仕込みなどの
吉原だけの行事のことは興味深かったです。
廓言葉も独特です。
この短編集、「くくり猿」で終わりでもいいと思いました。
最後の一話はもちろんおとせが主役なんだけど
余分、と感じました。



