ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ:「あ行」で始まる作家 > 恩田陸


『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。
『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。
『遠目』『つむじ足』など特殊な能力をもつ常野一族の中でも
最強といわれた父は、遠い昔に失踪した。
そして今、母が倒れた。
ひとり残された時子は、絶縁していた一族と接触する。
親切な言葉をかける老婦人は味方なのか?
『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は?
緊迫感溢れる常野物語シリーズ第3弾。

(内容紹介より引用)




常野一族の物語、三作目。

『光の帝国』の中の短編の1つ、
『オセロ・ゲーム』に登場した
「裏返す」力を持つ拝島瑛子とその娘・時子、
失踪した父、一族で「洗濯屋」の力を持つ火浦、
彼らがメインの長編です。

12月の日付が付いた章ごとに
主役(視点)が変わり、
時間が前後したりするので
頭の切り換えが上手くいかないと
読み進めるのに苦労するかも・・・。

大人向け寓話というより
サスペンスの要素が強いです。

瑛子と時子がそれぞれに
油断したら自分が「裏返される」恐怖と緊張感をもって
毎日を過ごしてきた年月に
こちらまで息をつめてしまいそう。

何が真実?
誰を、何を、信じる?

最後の最後に
ほんの少し、未来へ続く光が見えたような・・・。

あとがきに著者・恩田陸さんが
「常野物語はまだ続きます。」と。
気長に待っていようと思います。


青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。
他人の記憶や感情をそのまま受け入れるちから、
未来を予知するちから…、不思議な能力を持つという常野一族。
槙村家の末娘聡子様とお話相手の峰子の周りには、
平和で優しさにあふれた空気が満ちていたが、
20世紀という新しい時代が、何かを少しずつ変えていく。
今を懸命に生きる人々。
懐かしい風景。
待望の切なさと感動の長編。

(内容紹介より引用)




先に読んだ『光の帝国』に登場する常野一族の続編です。
こちらは短編集ではなく、一冊丸ごとの長編です。

戦前の東北で暮らしていた人たちの物語が
集落の医者の娘・峰子の視点で回想されていきます。

このお話、常野一族が出てこなくても
とても素敵な物語になったと思います。
輝きと同時に悲劇があったからこそ
記憶に残ったあの時…。

物語の最後で
戦争が始まる前、
10代だった少女が過ごした「あの夏」は
とてもきらきらと輝いていたのに、
今ではもう欠片しか記憶してないことが
哀しく、情けないと感じている心情が見えたような・・・。

「しまう」力を持った常野一族は、
人々の悲しく辛い記憶もしまっている。
彼らが虫干しという期間が必要なのも
納得できます。

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