ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ:「あ行」で始まる作家 > 上田早夕里

魚舟・獣舟 (光文社文庫)
上田 早夕里
光文社
2009-01-08

5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。
そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と
人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。
寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。
しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。
戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。
書下ろし中編を含む全六編を収録する。

(内容紹介より引用)




先に読んだ『華竜の宮』からの派生読書。

短編集です。
<目次>
魚舟・獣舟
くさびらの道
饗応
真朱の街
ブルーグラス
小鳥の墓

SFなんだろうけど
色々なシチュエーションがあって
面白くもあり、なかなか怖くもありました。

表題作の『魚舟・獣舟』は
あの『華竜の宮』を書くキッカケになった短編なのかな。
長編とは全く別物、というか
あの世界の中では、こんなエピソードもあったでしょうね・・・
という感じの短編でした。

『くさびらの道』では、もうホラーっていうか何というか!
これがバイオテロだったら嫌だー!!!
物語の深みを読む以前に生理的に厳しかった~(-_-)

『饗応』、『真朱の街』、『ブルーグラス』までが短編で、
最後の『小鳥の墓』は中編ぐらい。
これ1冊でも薄い文庫本になりそうなボリュームです。
ストーリーは近未来。
やはり人類は管理されている・・・。
ドロップアウトすることもままならないような管理社会で
生まれついてのシリアルキラーは
いつ自分の本性に目覚め、どう動くのか?

どの物語もかなりの毒を含んでいます。

華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)
上田 早夕里
早川書房
2012-11-09

¥799
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
青澄は、アジア海域での政府と海上民との対立を解消すべく、
海上民の女性長・ツキソメと会談し、お互いの立場を理解しあう。
だが政府官僚同士の諍いや各国家連合間の謀略が複雑に絡み合い、
平和的な問題解決を困難にしていた。
同じ頃“国際環境研究連合”は、
この星の絶望的な環境激変の予兆を掴み、極秘計画を発案する―
最新の地球惑星科学をベースに、
この星と人類の運命を真正面から描く、
2010年代日本SFの金字塔。

(内容紹介より引用)




読み終わってみて
一番強い印象は「命の尊さ」

それは、生き抜くことであり
少しでも長く、と同時に
いかに生きたか、を
常に突きつけられているような
強い何かを感じていました。

最後の時を迎えたとき、
微笑を浮かべていられるか、
その日まで生きられたことに感謝できるか・・・。

現在よりも海面が250m以上も上昇した地球。

スケールの大きさに圧倒されてしまいました。
The Ocean Chronicles と名付けられているように
SFといっても宇宙ではなくて
海洋王国と化した地球での物語は
日本人の作家さんならではの着想にも思えて、
ジャンルが全く違うのに
上橋菜穂子さんの守り人シリーズを連想してしまった。

うまく言えないんだけど、
妄想スコープが暴走してしまって・・・。

かつての大都市が沈んだ海を
全長20~30m以上の魚舟が悠々と自在に泳ぐ。
<朋>である彼らを操るツキソメたち海上民が
風を受けて真っ直ぐに進路を見つめる姿が浮かびます。

今度こそ人類は滅びるだろうという危機を前に、
遺伝子操作、人体改造を施してまで
未来へ命を繋ごうとする人々は、
その一方で
銀河系の外の宇宙へ「夢」を託した。。。

ものすごく読み応えがあって
読んでよかったと思っているのですが
この世界観から抜け出すのに時間がかかってます。
また、しばらく時間をおいて
他のThe Ocean Chroniclesの作品を読んでみたいです。

華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)
上田 早夕里
早川書房
2012-11-09

¥799
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
ホットプルームによる海底隆起で多くの陸地が水没した25世紀。
人類は未曾有の危機を辛くも乗り越えた。
陸上民は僅かな土地と海上都市で高度な情報社会を維持し、
海上民は“魚舟”と呼ばれる生物船を駆り生活する。
青澄誠司は日本の外交官として
様々な組織と共存のため交渉を重ねてきたが、
この星が近い将来再度もたらす過酷な試練は、
彼の理念とあらゆる生命の運命を根底から脅かす―。
日本SF大賞受賞作、堂々文庫化。

(内容紹介より引用)




9/4に行われた読メの読書会イベント
【メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー(SF&ファンタジー読書会)】参加本。
ずっと積読にあったのですが
読書会に背中を押してもらう形で読み始めました。

いつもは上下巻まとめて感想を書いていますが
これは内容が濃いし、
読了までに時間がかかりそうなので
上巻だけでUPすることにしました。

冒頭のプロローグで躓きそうだった^^;
小松左京の『日本沈没』から入り~の
おっと村上龍ワールドに突入か!?という感じでした。
サイエンス、苦手なんです・・・バイオならまだね。
でも、覚えておくべき事柄が出てきます。

そして第1章に入るとすべりだします。

陸上民と海上民。
人類が滅亡を避けるために人体に施したバイオテクノロジー。
紹介文の通り、全く異なる生き方をしている。

政治を司り、私利私欲に囚われた権力者は
更に邪魔者を排除し、己の富を囲おうとする。
いつの時代も同じように傲慢らしい・・・!

海上民と彼らの「魚舟」を知っていく内に
同じ著者の『魚舟・獣舟』(光文社文庫)を読んでみたくなりました。
SFは苦手意識があったのに、
この物語はがっつりSFだというのに、
もっと読んでみたいと思わされます。

上田早夕里さんて
『ショコラティエの勲章』や『ラ・パティスリー』という
スイーツ繋がりの日常の謎系も書いた作家さんです。
感想記事はこちら→『ショコラティエの勲章』
ですが、実はSFが本職のようですw

さて、1度目の人類滅亡の危機リ・クリテイシャスを
数百年前に乗り越え、それなりの繁栄をした人類に
2度目の危機が襲いかかろうとしているらしい。

人はどこまで堕ちるのか、それとも・・・?
そんな予感を抱きながら下巻いきます。

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