ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

カテゴリ:「や行」で始まる作家 > 米澤穂信

追想五断章 (集英社文庫)
米澤 穂信
集英社
2012-04-20

5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (49件のカスタマーレビュー)
大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、
ある女性から、死んだ父親が書いた
五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。
調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件
「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。
五つの物語に秘められた真実とは?
青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。
精緻きわまる大人の本格ミステリ。

(内容紹介より引用)




本筋はファンタジー要素のない推理小説です。

そして、作中作というような5編のリドルストーリー。
この結末の一行がない物語の方が
米澤さんぽい気がしました。
そんなにたくさん読んでるわけじゃないけど(^^ゞ
不思議と怖さと謎と・・・
なかなか好きな雰囲気のリドルストーリーたちでした。

読メの一言レビューにも書いたけど、
推理小説としての結末は予想がついてしまう。
でも、その謎を追う過程はとてもおもしろく読みました。

2つの違う雰囲気を感じてしまったので
つまらないワケじゃないのに
感想を書きにくいし、
どういう方向でお勧めすればいいのか難しいです^^;

リカーシブル (新潮文庫)
米澤 穂信
新潮社
2015-06-26

¥810
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
越野ハルカ。
父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、
弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。
だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と
未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。
そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ…。
大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。
十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。

(内容紹介より引用)




米澤穂信さん、
初めて読んだ『折れた竜骨』があまりにも好き過ぎてw
次に何を読めばいいのか不安と迷いで遠ざかっていました。

単行本の装丁の時は何故か惹かれなかったのですが、
文庫になっているのを書店で見て即購入。

『折れた竜骨』とは全く違うストーリーなのに
なんとなく似た雰囲気を感じるのは、
どちらも主人公が少女で、
ひりひりするような痛みと哀しみを心に抱きながら
強くなっていく姿があるからでしょうか。

そこそこボリュームがあるのですが
読み始めたら一気でした。
背筋がゾワッとするような気配と謎を追って・・・!

ちょっとネタバレ・・・
ハルカ達が住むことになった町で今でも信仰されている
タマナヒメ伝承にもゾワッときそうなんだけど、
私が何よりゾーッとして得体がしれないと感じたのは
ハルカとサトルのママ!
読み終わって謎が解けた今、
なるほどね~とは思っても、好きにはなれないなぁ。

ハルカがサトルにいった言葉、
「泣くのはひとりの時だけ。
それができないうちは、お子様よ。」
中学1年生になったばかりの少女が言うには
あまりにも切ない。

米澤穂信さん、少女に厳しいです(笑)

おもしろかったので、また違う作品を読んでみたくなりました。
『満願』か『ボトルネック』か・・・。

5
ロンドンから出帆し、北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。
その領主を父に持つアミーナは、
放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、
その従士の少年ニコラに出会う。
ファルクはアミーナの父に、
御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、
と告げた……。
いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、
魔術と剣と謎解きの巨編!

自然の要塞であったはずの島で、
偉大なるソロンの領主は暗殺騎士の魔術に斃れた。
〈走狗(ミニオン)〉候補の八人の容疑者、沈められた封印の鐘、
塔上の牢から忽然と消えた不死の青年──
そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 
魔術や呪いが跋扈する世界の中で、
推理の力は果たして真相に辿り着くことができるのか? 
第64回日本推理作家協会賞を受賞した、瞠目の本格推理巨編

(BOOKSデータベースより引用)




すっごいおもしろくて一気読み!
紹介してくださったキイさん、ありがとうございました^^

「折れた竜骨」特設ページ → http://www.tsogen.co.jp/ryukotsu/

創元推理社のHPで特設ページを作っていました。
人物相関図があったりして、物語がわかりやすくなってます。
興味持ったけど、迷ってる・・・という時に見てみるといいかも!

まず、著者が日本人でびっくり!

古のヨーロッパを舞台にして、全くの架空の島を設定し
錬金術師や呪われたデーン人(アンデッドらしい)、騎士たちが登場する。

ファンタジー一色なのかと思うと、そうでもない。
領主を殺害した犯人は推理によって追いつめられていく。
アリバイと証拠を調べ、聞き込みをする。

もちろん、その過程には不思議な術も・・・
出てくるアイテムたちも興味をそそられます^^

ソロンの港は各国から海を渡ってやってくる商人たちで大賑わい。
その様子はとても活気にあふれているようで、
マーケットをうろついてみたくなってしまった(^^ゞ

ヒロインのアミーナは領主の娘で、兄が跡取りなんだけど
愚兄賢妹ってやつかな^^;
だって、この兄って騎士のくせに
港が襲われても領民を守るために戦いにこないのだ!ww

勝敗が決まったころになって部下を連れて
わぁ~!って来たって・・・┐( ̄ヘ ̄)┌

そして、すご腕の騎士であり術士でもあるファルクと
その従士の少年・ニコラ。
ニコラは師匠のファルクから、アミーナの護衛を命じられる。

推理によって犯人が明らかになった時・・・!
辛く悲しい結末はアミーナとニコラ、それぞれの心に深く残ったと思う。

アミーナは愚兄を支えるために
生涯をソロンで過ごすと心に決めたようだ。

ニコラは、そんなアミーナの初めての騎士となる。
ヨーロッパのどこに居ても、アミーナとの合い言葉を聞けば
必ずソロンに戻ってくると誓い、再び船に乗って旅立つ。

その合い言葉が「折れた竜骨」。
アミーナが何を思い描いてその言葉にしたのかは、物語の中で。。。

いつか、成長したアミーナとニコラの物語を読んでみたい。
折れた竜骨 上 (創元推理文庫)/東京創元社


¥651

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折れた竜骨 下 (創元推理文庫)/東京創元社


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この装丁もなかなか洒落ています。
普通、本屋さんで上下巻は横並びに置いてあると思うのですが
この本は上下に並べた時に絵が出来上がります。
そこに 竜骨が 見える かな。

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