ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

2016年03月


岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。
時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。
吉原で住み込みのお針子となったおとせの前には、
遊女たちの痛切な生の営みがあった。
さまざまな恋模様、その矜持と悲哀。
そして自身にもほのかな思いが兆しはじめ…。
今宵ひと夜の夢をのせて、吉原の四季はめぐる。
哀切の傑作時代小説。

(内容紹介より引用)




連作短編集。
<目次>
仲ノ町・夜桜
甘露梅
夏しぐれ
後の月
くくり猿
仮宅・雪景色

主人公のおとせは岡っ引きだった夫に先立たれて
長屋に一人住まいしている36才の未亡人。
息子の結婚を機に
長屋を息子夫婦に明け渡して
住み込みの仕事先を探すことに。。。

吉原の遊郭に住み込んでする針仕事は
普通のお店での仕事より給金がいいので
気後れしつつも大店の遊郭・海老屋へ。

主人公のおとせですが、
岡っ引きの女房だったからと言ったって
お針の仕事しないで、あちこち歩き回り
遊女たちの揉め事に首を突っ込む様子が
かなり気にかかる(笑)
まるでアメリカ発のコージーミステリのヒロインたちのようだ!
江戸っ子のおせっかいとは
ちょっと違うように感じてしまいました。

吉原ならではの四季の描写はとても美しく、
脳内にパノラマで広がっていきます・・・
春の桜から菖蒲、花火、お月見等々。

タイトルの甘露の梅の仕込みなどの
吉原だけの行事のことは興味深かったです。
廓言葉も独特です。

この短編集、「くくり猿」で終わりでもいいと思いました。
最後の一話はもちろんおとせが主役なんだけど
余分、と感じました。




18世紀英国。
愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、
暇になった弟子のアルたちは
盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。
ある日、身許不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む。
屍体の胸には
〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニカ・ディアボリカ〉と謎の暗号が。
それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。
本格ミステリ大賞受賞作『開かせていただき光栄です』続篇。
解説/北原尚彦。

(内容紹介より引用)




『開かせていただき光栄です』が
ものすごく面白いミステリーだったので
続編が文庫になって即買いでした。

前作から5年が経った設定です。
今回は解剖医のダニエル先生は脇で、
盲目の判事、サー・ジョンが牽引役です。
そして、ダニエル先生のもとを去ったあの二人も・・・。

意外に思ったのは当時、大陸のフランスには
現代の警察に当たる組織が既に機能していたのに
舞台となるイギリスにはまだ無かったということ。

その為、罪を罰する法律は存在していても
全ての人民に平等ではないどころか、
権力者と富裕層に有利な
非常に理不尽なモノだったようです。

前作は事件の謎を解くミステリーとして楽しみましたが、
登場人物たちへの感情移入がある2作目は
理不尽な時代に生きる彼らの哀しみも感じました。

天才素描家ナイジェル・ハートの過去は
「普通」と「普通でない」の区別がつかない世界だった・・・。

さすがに
「この続きはないんだろうな」という印象のラストでした。
できたらもう1作ぐらい読みたい気がするけどなぁ。

読み応えあります。
謎を解くミステリーとしても、
登場人物たちのそれぞれの立場での生き方としても。

ちょっとネタバレ・・・
タイトルのアルモニカ・ディアボリカとは
グラスハープのことでした。
エドがいうようにその音色は
ディアボリカではなくアンジェリカでしょう。


本所亀沢町にあるおけら長屋は、今日も騒がしい。
密かにお染のあとをつける大工の又造。
その意外な理由とは。
花見で浮かれる長屋の連中をよそに、一人沈む万造。
ひょんなことから五十年前の真実が明らかに。
八百屋の金太に嫁取りの話が!?
お糸と文七の祝言が近づく長屋のあちこちで難事が発生。
折しも流行病が西方から江戸へ、そして本所にも…。
笑って泣ける大人気連作時代小説、シリーズ第六弾。

(内容紹介より引用)




シリーズ最新刊、連作短編集です。

<目次>
しおあじ
ゆめとき
とうなす
やぶへび
だきざる

貧乏だけどおせっかいで
人との関わりを大切にする長屋の住人たちに
また会えました。

今よりずっと寿命が短くて
命が儚かった江戸の時代だからこそ
人々は助け合って絆を強くもっていたのでしょう。

「ゆめとき」でじんわりきて、
「とうなす」で大笑いして、
今回もいいなぁなんて油断してたら
「やぶへび」と「だきざる」の連作で泣かされました。
(TДT)←こんな感じで(笑)

お糸ちゃん、お幸せに。。。

お糸の母・お里のうっかりぶりが他人とは思えません(^^ゞ

このシリーズはずっと追いかけていきたいので
またこれから次の新作を待ちます。

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