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江戸・浅草で一膳飯屋「だいこん」を営むつばきとその家族の物語。
腕のいい大工だが、博打好きの父・安治、
貧しい暮らしのなかで夫を支える母・みのぶ、
二人の妹さくらとかえで――。
飯炊きの技と抜きん出た商才を持ったつばきが、
温かな家族や周囲の情深い人々の助けを借りながら、
困難を乗り越え店とともに成長していく。
直木賞作家が贈る下町人情溢れる細腕繁盛記。
(内容紹介より引用)
涙する感動巨編ではないけれど、これ、すっごい好き!
文庫の厚さが2センチ超える大長編ですが
おもしろくてサクサク読めます。
鰯の甘辛煮(生姜入り)と白いご飯が食べたくなる~。
空腹時に読むべからず(笑)
主人公は三人姉妹の長女・つばき。
たぶん・・・だけど、
このつばきの考え方や人生を見て
「何なの?押しつけがましい」って感じる人もいると思う。
母親代わりになってくれなんて頼んでない、とかね。
でもさ、
子供より博打好きの夫が最優先!
家にいるより外で働くのが楽しい、という母親だったら
長女が妹たちの世話も家事もしなきゃ仕方ないじゃん。
つばきは、そうやって生きてきたんだから
少しくらいの自負持たせてあげてよ、ね。
この物語は、26歳になったつばきが
新しい自分の店を深川に普請したところから始まります。
地回りのやくざが挨拶に来いという・・・。
行ってみたら相手は、
かつて父親を博打に誘い借金を背負わせて取り立てた男だった!
お互いに驚きつつ、複雑な心境の二人なんですねw
そして、つばきは過ぎてきた時間を回想する。。。
ずっと、なんとかしてお金を稼がなくちゃ!と思っていたつばきは
自分の炊くご飯は、母親が炊くよりおいしいということに気づき
わずか9歳で町火消しの番小屋で母と二人で賄いに雇われる。
そこでの給金を母がきちんと貯めていてくれた!
そのお金でつばきは17歳という若さで
初めての自分の店を浅草に持ったのでした。
お店の名前は「だいこん」
定食屋さんみたいなものですね。
ご飯と漬物と鰯の甘辛煮が人気メニュー。
大工の父親以外、母と三姉妹全員でがんばります。
江戸の町では商売敵からの嫌がらせだけでなく
火事や大水、天候不順も商いの大きな災難になる。
つばきの機転で何度もくぐり抜けていく。
父親に賭け事の才能はなかったけどw
つばきには料理の他に商才もあったんです。
そして、妹たちの嫁入りのことまで気にかける。
でも家族の誰一人として、つばきの嫁入りのことは気にしてない。
それに気づかないくらい鈍感だったら、ある意味幸せなのかもしれない。
生憎つばきは気づいている。
そして、たまらなく寂しく思う時がある。
もし違う生き方を選んでいれば・・・
もし違う家に生まれていれば・・・
そんな感傷もあるけれど、明るいんです。
やっぱり家族が大好きで大切なんです。
ラストも未来を感じさせます。
きっと深川の「だいこん」も繁盛することでしょう。


