ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

2013年10月

わぁ~ とっくに書いたと思っていたら!!!







「配達あかずきん」  創元推理文庫  2009年3月発行




大崎梢  (Ohsaki  Kozue)






書店の謎は書店員が解かなきゃ!



近所に住む老人から託されたという、「いいよんさんわん」謎の探求書リスト。


コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪してしまった母親を、捜しに来た女性。


配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真……。


駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、


勘の鋭いアルバイト・多絵が、さまざまな謎に取り組む。


元書店員の描く、本邦初の本格書店ミステリ! シリーズ第1弾。


解説=戸川安宣






(BOOKSデータベースより引用)











短編集。


「パンダは囁く」

「標野にて 君が袖振る」

「配達あかずきん」

「六冊目のメッセージ」

「ディスプレイ・リプレイ」




ずっと前に感想文を書いたつもりでした~(>_<)


たぶん、多くの方があちこちで感想文書いてると思います。。。




書店でおこる小さな謎を名探偵・ホームズのように解き明かすのは、


アルバイト店員の多絵。


そして、ワトソン役が正社員の杏子。




本好き、本屋さん好き、にはぴったりのシリーズだと思います。


私自身、2年ちょっと書店アルバイトの経験があるので


杏子たちの日常業務に懐かしく思い出したりしました。




本は好きだけど、本屋さんの仕事について全く知らない人にとっても


へぇ~こんなことしてるんだ~って新鮮に感じるかもしれません。




「読み応えのある」というよりは、


町の本屋さんの謎解きを一緒に楽しみましょう、というスタイルでどうぞ^^




成風堂書店シリーズとして、あと2冊出てます。


「晩夏に捧ぐ」→これは長編です。


「サイン会はいかが?」→短編集。



実は、このシリーズともう1つ、


出版社の営業マンが主役のシリーズがあって


つい最近2つのシリーズがリンクした新刊が出ました。



配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)/東京創元社



¥651

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同じ作家さんで感想文書いてないのがあと2冊~。







「無事、これ名馬」  新潮文庫  2008年5月発行




宇江佐真理  (Ueza  Mari)






吉蔵は町火消し「は組」の頭。


火の手が上がれば、組を率いて駆け付け、命懸けで火事を鎮める。


そんな吉蔵に、武家の息子・村椿太郎左衛門が弟子入りを志願してきた。


生来の臆病ゆえに、剣術の試合にどうしても勝てない太郎左衛門。


吉蔵の心意気に感化され、生まれ変わることができるのか……。


少年の成長と、彼を見守る大人たちの人生模様を、


哀歓鮮やかに描き上げる、傑作時代小説。








(BOOKSデータベースより引用)












連作短編集。


とはいっても、章に分かれた1つの長編と思った方がいいかも。。。





「好きよ たろちゃん」


「すべった転んだ洟かんだ」


「つねりゃ紫 喰いつきゃ紅よ」


「ざまァ かんかん」


「雀放生」


「無事、これ名馬」





7才の太郎左衛門が吉蔵を訪ねるところから始まり、


30才を過ぎて、ようやっとお嫁さんをもらうところまでの


江戸の町に生きる人々の人生を


優しすぎず厳しすぎず、ごくごく普通に丁寧に綴られています。





「無事、これ名馬」とは、


結局、大きな怪我も病気もせず何事も無く過ごしてきた馬が名馬だという意味だそうだ。





文庫のためのあとがきとして著者自身の息子さんに重ねていました。


もし、優秀な息子だったら、この物語は生まれなかったと・・・。


どうもパッとしない子だったからこそ


日常の小さなことに感激していたそう。





そこでふと我が家を見てみれば・・・


子どもはいないけど不出来なオットならいるではないか!(笑)


そうだよ。


宇江佐さんのような目で見ればいいのだ~。


(無理そうだけど、努力はしてみる)





人が生きるとはこういう風に後々へ繋がっていくものだと


ちょっとうるうるしながら、ほんわか優しい気持ちになります。





私たち夫婦の後に繋がる人生はないけれど


それならそれで、周りの人たちの生き様をじっくり観察させてもらいましょ^^


と、思った物語でした。





良いですよ。





無事、これ名馬 (新潮文庫)/新潮社



¥546

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この作家さんは好みかも。。。







「血の冠」  祥伝社文庫  2011年3月発行




香納諒一  (Kanou  Ryouichi)






警察小説の収穫!

内勤警官・小松一郎、連続殺人を追う



元警官越沼(こしぬま)が頭蓋骨を冠のように飾られて殺された。


それは二十六年前の、「キング」と呼ばれた殺人犯による、迷宮入り事件の手口と同じだった――。


弘前(ひろさき)中央署会計課の小松一郎(こまついちろう)は、


幼馴染みの警視庁警視正・風間(かざま)によって、捜査の最前線に立たされる。


少年時代の二人はキングの被害者だったのだ……。


北の街を舞台に、心の疵(きず)と正義の裏に澱(よど)む汚濁を描く、警察小説の傑作!




(BOOKSデータベースより引用)









本屋さんへ行ったら、買うつもりはなかったのに手に取ってましたw


この作家さんでは4作目。


結構、いいかも。




スプラッターじゃないけど猟奇殺人です。


女性は苦手な人もいそうな感じ。




舞台は青森県弘前市。


昔でも未来でもなく、現代(いま)です。




小説の中のセリフが標準語の時と弘前の地元の言葉の時と、あります。




東京へ行った幼馴染の風間と、


ずっと弘前にいた小松が再会するも


あまりにも時間が経っている。


そして、同じ警察官ではあるものの


警視庁のキャリアになっていた風間、


所轄署の会計課の小松、


この二人の距離感を出すのに上手く使い分けているような気がします。


ふっと近寄る時と、スッと離れる時と。


ネット上でのレビューでは「読みにくい」と不評のようです^^;


私は平気でした。




ただ、文字だとイントネーションがわからないのね~。


「まいねん(駄目)でしょうか。」って読んでも


どこにアクセントを置くのかわからない^^;




救いのないラストになりそうだけど


ギリギリのところでかすかな未来が・・・。




ずっしりくるけど、なかなかよかったです。




血の冠 (祥伝社文庫)/祥伝社



¥840

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