ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

2012年08月

台風がやってきたようで、雨がいきなりどしゃ降りに!


そして、ちょっとばかり蒸し暑い(>_<)


こんな日に限ってオットは遅番のシフト・・・日頃の行いか?w









「半島を出よ」  上下巻  幻冬舎文庫  2007年8月発行




村上龍  (Murakami  Ryu)






北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、


2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。


彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。

〈財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟〉




さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。


逮捕、拷問、粛清、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋。


北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、


ある若者たちが決死の抵抗を開始した。


〈現実を凌駕する想像力と、精密な描写で迫る聖戦のすべて。〉


野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。






(BOOKSデータベースより引用)











これ、嫌いっていう人が多いと思う。


そんな作家で、そんな小説なんです。




それでも、20代に会社の先輩に勧められた「愛と幻想のファシズム」で


衝撃を受けた自分としては


やはりどこかに書き留めておきたいと思っていました。




この感想文ブログを書き始めた時から


ずっと迷っていたけど


こんな台風の夜に書くのが合ってるかもしれないと


ようやく書き始めました。




グロいというのはちょっと違ってて・・・




例えば、だけど


ホームレスが目の前にいるシーンでも本だから


臭いや温度ってわかりにくいですよね。


自分の経験で想像するしかない。


だけど、村上龍の書く文章って


微に入り、際に入り、ものすごいリアルで執拗で


臭いや温度・湿度まで皮膚感覚で感じてしまうような描写なのだ。




だから時々、もういいからってすっ飛ばしたくなるw




この小説が書かれたのは単行本が2005年発行だから


もう少し前なんでしょうね。


で、作中の時代は2010~2011年、


エピローグのように2014年が最後の章になっています。




怖いよ。


リアルで。


今の日本と諸外国との関係を考えると


あってもおかしくない、と思わせられる。




何かから受ける影響を嫌だと思ったらうまくかわせる、


そういう人なら、どうってことないかもしれない。


が、私のように受けるものは負のエネルギーでも


まともに受け止めてしまう不器用なタイプには、かな~りヘビーなのだヽ(;´ω`)ノ




村上龍って誰?ぐらいの世代の人に読んでみてもらいたいかも?




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墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。
やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、
「犯人」は
「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、
鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。
ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった―。

鞠子の遺体が発見されたのは、
「犯人」がHBSテレビに通報したからだった。
自らの犯行を誇るような異常な手口に、日本国中は騒然とする。
墨東署では合同特捜本部を設置し、前科者リストを洗っていた。
一方、ルポライターの前畑滋子は、右腕の第一発見者であり、
家族を惨殺された過去を負う高校生・塚田真一を追い掛けはじめた―。

群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。
二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。
死亡したのは、栗橋浩美と高井和明。二人は幼なじみだった。
この若者たちが真犯人なのか、全国の注目が集まった。
家宅捜索の結果、
栗橋の部屋から右腕の欠けた遺骨が発見され、
臨時ニュースは「容疑者判明」を伝えた―。

特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、
前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。
今や最大の焦点は、二人が女性たちを
拉致監禁し殺害したアジトの発見にあった。
そんな折、高井の妹・由美子は滋子に会って、
「兄さんは無実です」と訴えた。
さらに、二人の同級生・網川浩一がマスコミに登場、
由美子の後見人として注目を集めた―。

真犯人Xは生きている―。
網川は、高井は栗橋の共犯者ではなく、
むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、
「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、
一躍マスコミの寵児となった。
由美子はそんな網川に精神的に依存し、
兄の無実を信じ共闘していたが、
その希望が潰えた時、身を投げた―。
真犯人は一体誰なのか?

宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。

(BOOKSデータベースより引用)




文庫で5巻、単行本で上下巻のボリュームです。

ものすごい長編作品ですが、
宮部みゆきさんの文章はとても読みやすくて
途中で挫折することなく、ほぼ一気に読み切れました。

読みやすいので、今までに何冊も読んでいるんです。
(火車、龍は眠る、スナーク狩り、クロスファイア、理由、レベル7、etc)
でも、何故か深く印象に残るものがあまりなくて・・・o(_ _*)o

で、最近は遠ざかっていたのですが、
新刊(英雄の書、ソロモンの偽証)が気になりまして
書きかけの感想文を発掘したわけです(^^ゞ

ルポライターの前畑滋子が事件を取材し、解決へと導いていきます。

タイトルの「模倣犯」は最後に、
あぁこういう風に使いたかったのねってわかります。

個人的には、有馬豆腐店。
とても気になって、哀しすぎるけど素敵なキャラなんです。
おじいちゃんと孫娘。
もっと真ん中に押してきて欲しかったなぁ。

事件解決って報道されても、
それは警察という組織にとってだけのことで
被害者にとっては何も終わってない、
一生終わることはないんだって。

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4
第25回山本周五郎賞受賞作。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の学芸員ティム・ブラウンは、
スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。
ルソーの名作『夢』とほとんど同じ構図、同じタッチ。
持ち主の富豪は真贋を正しく判定した者に作品を譲ると告げる。
好敵手(ライバル)は日本人研究者、早川織絵。
リミットは七日間――。
カンヴァスに塗り籠められた真実に迫る渾身の長編!

(BOOKSデータベースより引用)




他のブロガーさんが紹介してたのを読んで
面白そう!と思って本屋さんでゲットしました。
珍しくハードカバーの新刊です。
(いっつも古い本か文庫なものでねぇ(^^ゞ)

帯に「アートミステリー」と書いてあり、その通りだと思いました。
純粋にミステリーで、殺人は1つもおこらないんです。

ルソーの「夢」という絵画が主役ですが
どんな絵だろう?って知らなくても大丈夫です^^
カバーに使われてますから!

私がお邪魔したブロガーさんが
アカデミック過ぎて、
インターナショナル過ぎてたまについていけないって
感想書いててちょっと笑ってしまったけど
(毒魔女さん、ごめんなさいねm(__)m)
確かにそんな雰囲気ありましたw

最初から面白くてスッと入り込めたんだけど
2章目に入るところで
「え?もしかして回顧録パターン?」とちょっと躊躇いがあったのも事実。

回顧録の中で謎解きが完結していると、
前後に「今」を書く必要があるのか
わからなかったりするので
個人的にあんまり好きじゃないってだけなんだけど(^^ゞ

何しろ、アンリ・ルソーの生きていた1900年代初めを
1980年代に調査した、という
過去を2000年に思いだしているのですから。

頑張って(笑)2章目に突入したら
なんだ、こういう事ならいいじゃん♪ということで後はスラスラと!

1980年代の調査がきちんと収束されていてすっきりします。
もちろん、「もしかしたら?」という素敵なミステリーは残しつつ、です^^

読後感、いいです。

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