ドラマ化された「犯人に告ぐ」や「クローズドノート」を書いた作家さんです。
タイトルは きょぼう と読みます。
「虚貌」 上下巻 幻冬舎文庫 2003年4月発行
雫井脩介 (Shizukui Shusuke)
二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。
社長夫妻は惨殺され、長女は半身不随、長男は大火傷を負う。
間もなく、解雇されていた従業員三人が逮捕され、
事件はそれで終わったかに見えたが…。
嵌められた男の出所から、新たなる惨劇が幕を開ける―。
二十一年前の事件の加害者たちが、何者かによって次々と惨殺された。
癌に侵されてゆく老刑事は、
この事件を最後と決意して命懸けの捜査に乗り出した…。
それぞれの人生が交錯するクライマックスまで、一瞬たりとも目が離せない!
これがエンターテインメント小説の最前線だ。
(BOOKSデータベースより引用)
すっと前に、豊川悦史主演でドラマ化された「犯人に告ぐ」は
劇場型犯罪といわれ、
派手で2時間にドラマに合うと思いますが、
こちらは比べると地味で、重いような感じです。
下巻になってからのトリックというか、謎解きがいまいち・・・
というレビューが多いようです。
私はトリックや謎解きよりも
人の心の闇というか、恩讐の深さや、
刑事の執念のようなものがズシンときました。
暗いけど、重い=読み応えがあった。
人の顔って細かい造作より
全体の雰囲気みたいなもので捉えている時があるんですね。
顔は違うんだけど、雰囲気がそっくり・・・
なんだろう?って一瞬引っかかる感じ、とでもいいましょうか。
刑事という職業でもなければそのまま忘れてしまうような
日常の些細な気づき。
ちょっと背筋がゾクッとくるような怖さも感じました。
警察小説やミステリーというより
作品紹介にあるようにエンターテイメントと思えば
謎解きの部分に固執することもなく
ぐいぐい引き込まれていきました。
読み終わって、ほーーっと大きく息継ぎしたくなります。
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