ねこの夢

読んだ本の備忘録として。。。

2012年06月

ドラマ化された「犯人に告ぐ」や「クローズドノート」を書いた作家さんです。


タイトルは きょぼう と読みます。









「虚貌」  上下巻  幻冬舎文庫  2003年4月発行






雫井脩介  (Shizukui Shusuke)






二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。


社長夫妻は惨殺され、長女は半身不随、長男は大火傷を負う。


間もなく、解雇されていた従業員三人が逮捕され、


事件はそれで終わったかに見えたが…。




嵌められた男の出所から、新たなる惨劇が幕を開ける―。


二十一年前の事件の加害者たちが、何者かによって次々と惨殺された。


癌に侵されてゆく老刑事は、


この事件を最後と決意して命懸けの捜査に乗り出した…。


それぞれの人生が交錯するクライマックスまで、一瞬たりとも目が離せない!


これがエンターテインメント小説の最前線だ。






(BOOKSデータベースより引用)















すっと前に、豊川悦史主演でドラマ化された「犯人に告ぐ」は


劇場型犯罪といわれ、


派手で2時間にドラマに合うと思いますが、


こちらは比べると地味で、重いような感じです。




下巻になってからのトリックというか、謎解きがいまいち・・・


というレビューが多いようです。


私はトリックや謎解きよりも


人の心の闇というか、恩讐の深さや、


刑事の執念のようなものがズシンときました。




暗いけど、重い=読み応えがあった。




人の顔って細かい造作より


全体の雰囲気みたいなもので捉えている時があるんですね。


顔は違うんだけど、雰囲気がそっくり・・・


なんだろう?って一瞬引っかかる感じ、とでもいいましょうか。




刑事という職業でもなければそのまま忘れてしまうような


日常の些細な気づき。




ちょっと背筋がゾクッとくるような怖さも感じました。




警察小説やミステリーというより


作品紹介にあるようにエンターテイメントと思えば


謎解きの部分に固執することもなく


ぐいぐい引き込まれていきました。




読み終わって、ほーーっと大きく息継ぎしたくなります。




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先に紹介した「東京バンドワゴン」シリーズの番外編です。
これ以前は再読、こちらは初読み。






「マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン」  集英社文庫  2011年4月発行



小路幸也  (Shoji Yukiya)




東京バンドワゴンシリーズ、感動の番外編!

国家の未来に関わる重要文書を託された子爵の娘・咲智子。
古本屋を営む堀田家と出会い、優しい仲間達に守られて奮闘する! 
サチの娘時代を終戦直後の東京を舞台に描く感動長編。


(BOOKSデータベースより引用)





このシリーズは、昔のホームドラマそのまんまの雰囲気です。




先日紹介した1作目の「東京バンドワゴン」以降は
すべてスタンダードナンバーのタイトルが付いています。
番外編のこの本には マイ・ブルー・ヘブン です。
どんな曲かは↓にYoutubeから引っ張ってきました^^
戦後、邦訳されて歌われていたことが物語の中でもわかります。




番外編は、シリーズ通して語り手となっている
亡くなった大ばあちゃん=堀田サチの若い頃のお話です。
結婚する前から始まって、
勘一と出会い、堀田家と出会い、別れがあり、
一人息子の我南人が生まれて、成長した我南人が
「僕はミュージシャンになるからねぇ」と宣言するところまで、です。

戦後のお話で、GHQとの駆け引きや
守らなければいけないものを
みんなで、全力で、知恵をだし、行動して守りきる。
そんなワクワク感もあります。

私の親より少し上の世代の登場人物たちで、
あぁ、こんなような事なら母や祖母から聞いたことあるなぁ
と少し懐かしく思い出しながら読んでいました。
(母は生粋の江戸っ子でしたから(^^ゞ)

ありふれた言葉ですが、
人の優しさや誰かを思いやる心が沁みてきます。
わんわん泣くのではなく、じんわり泣けます。

あぁ、こういう下地があったからこそ
今の堀田家が出来上がってるだね~ってわかります。

LOVEだねぇ。。。

シリーズ通してオススメです^^





マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン) (集英社文庫 し)/集英社


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参考までに既刊をリストアップしておきます。(私は5.まで読んでます)

1.東京バンドワゴン
2.シー・ラブズ・ユー
3.スタンド・バイ・ミー
4.マイ・ブルー・ヘブン
5.オール・マイ・ラビング
ここまで集英社文庫↑
ここから集英社の単行本↓(まだ文庫化されていない)
6.オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ
7.レディ・マドンナ

人気のあるシリーズのようで、図書館にも揃っていると思います。
うちの近所の図書館にはあったし!^^


ずいぶん前に読んだ本、ふと思い出したので。

製造元が不明の銃弾!
その裏にある巨悪とは
無口で無骨な巡査部長・武本と、
話し出すと止まらない年下の上司・潮崎警部補。
2人は、特殊な密造拳銃の出所の捜査にあたる。
たどり着いたのは5年前のある事件だった。
覚醒剤乱用防止推進員の拳銃自殺。
その背後に潜む巨悪とは? 
軽快な筆致で描かれた、新世代の警察小説。

第25回メフィスト賞受賞作。


(BOOKSデータベースより引用)





ずいぶん前に読んだので細かいところがうろ覚えです^^;

私が読んだのは講談社文庫刊でしたが
最近、双葉文庫から改めて発刊されたようです。

500ページ以上のボリュームあるのですが
軽いタッチで書かれていてサクサク読めました。

大きな組織に立ち向い、事件を解決するために
武本巡査部長と潮崎警部補、麻取の宮田氏が
傷つき、疲れ果て、諦めそうになりながらも活躍するのです。

この作家さんで、消防士さんを主役にした本も読んだのですが
そっちはイマイチ、でした。
コミカルにしようとしたのか、ヒューマニズムものにしようとしたのか、
どっちつかずで中途半端な印象を持ちました。

続編も出ています。
「そして、警官は奔る」 講談社文庫・双葉文庫それぞれより発刊済み。

ちょっとネタバレ↓

事件解決後、組織を変えるには上にいかなきゃいけないと
お坊ちゃまの潮崎警部補は一度警察を辞めてしまいます。
国家公務員Ⅰ種試験を受け、キャリアとして警察官になるために。。。

ここで、
ん~?どっかでも聞いたな、上になって組織を変えるってセリフ・・・
と思い出してみたら、
「踊る大捜査線」だった!(ノ∀≦。)ノぷぷッ♪

それでも、警官は微笑う (講談社文庫)/講談社


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